新型コロナの世界になってから世の中じゃ在宅勤務だのリモートワークだのを進めているわけですが、どうしてもネックになるのが「IT化、デジタル化」していない業務。わたくしの仕事場もまだまだ。てか自分システム屋なんだから本当はその辺をどうにかするのが仕事なんだけど、まあ諸般の事情でこちらの意思だけで進められないという環境。
で、IT化だのデジタル化を進めたくない(というか、自分のやり方を変えたくない)連中というのも会社の中にはワンサカいるわけで、とにかく文句文句文句。
そういう文句を聞いていると感じるのが「人が時間をかけて手でやる仕事こそが尊い」みたいな考えしているのが非常に多い気がします。年寄りはもちろん、若いのまで(さすがに少ないけれど)。事務作業なんてほとんどがシステム化できるわけなんですが、人が数時間かけてやったのと同じ仕事量をコンピューター様が数秒で片づけると「そんなの意味がない」的なことを言うわけですよ。
システム屋からしてみたらコンピューター様が数秒でできることを人間ごときが何時間もかけてやることの方が意味がないんですが、なんなんですかね。「人がやった作業は尊い」的な感じ。
「一生懸命」という言葉がありますが、どうもこの言葉にはそういう(人が手をかけてやったこと)みたいなニュアンスを含む感じで使う人が多い気がします。「一生懸命やったんだから!」とか言いますよね。でも、お前が何時間もかけてやったことはやり方を変えれば数秒で終わるわけです。
いや、その作業が完全なスポット作業で、システム化するためにえらい時間がかかるとかならそりゃわたしだって手でやりますよ。しかしルーチンで発生するものに大して(システム化の工数が手作業の工数をペイできるという条件なら)手でやり続ける意味なんて無いわけです。単に手作業でやっている「そいつ」が「一生懸命やった!」という満足感の話でしかない。
時間かけたって無駄なことは無駄なんだ、無駄なことは極力するべきじゃないという意識がないと、いつまでたってもIT化デジタル化なんて進まないと思う。